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オキシトシンによる知的障害を伴う自閉症の治療試験研究開始

神経細胞表面分子であるCD38をノックアウトしたマウスで、相手の認識記憶の忘却や仔の養育を放棄する行動が見られることとオキシトシンの分泌低下を見出しました。社会性行動の異常はオキシトシン投与やCD38のレンチウイルスによる視床下部への局所再発現で修復可能だったことから、CD38がオキシトシンの分泌制御を介して社会性認識行動に深く関与していると結論し、社会性認識障害を主症状とする自閉症はオキシトシンの分泌異常により生じるとする仮説、自閉症分泌異常仮説を提唱しています。CD38の一塩基多型(SNP)はASDの危険因子です。最近、オキシトシンの経鼻連続投与の効果が知的障害を併うカナー型の自閉症が見られた事から、カナー型を対象とする臨床試験を開始しています。

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