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2014年5月1日
記者説明会
パーキンソン病の精神症状について新たな発見
本学子どものこころの発達研究センター 東田 陽博 特任教授らの研究グループは,2009 年に日本人で新たに同定され,その後多くの人種でも確認し,パーキンソン病の特有遺伝子として報告されたBST1/CD157が,パーキンソン病の発症とどう関わるかを,BST1/CD157遺伝子欠損マウスで研究してきました。その結果,BST1/CD157が,パーキンソン病の特徴である脳の黒質の神経変性により生じる運動障害には関係しないこと,またBST1/CD157は,パーキンソン病患者の30―70%にみられる「不安,うつ,対人交流低下」等の精神症状と深く関わることが判りました。
さらに,信頼を司るホルモンであるオキシトシンの投与により,BST1/CD157遺伝子欠損マウスの精神症状の改善に効果がある事を示す結果も得ました。このことから,ドーパミン関連薬では治療が難しいと言われているパーキンソン病の精神症状に,オキシトシンは有効かもしれないとする新しい可能性が出てきました。
これまで,精神症状に着目した観点からの研究は非常に少なく,その上,パーキンソン病の精神症状特異的遺伝子も報告された事はありませんでした。今回の発見により,BST1/CD157遺伝子欠損マウスで,精神症状と運動障害の関係性や発症原因を探る事が可能になります。また,パーキンソン病の精神症状に効果的な治療薬を開発する手段を提供できる可能性があります。この研究成果は,スイスの科学雑誌Frontiers in Behavioral Neuroscienceオンライン版に平成26年4月22日に掲載されました。
今回の研究結果について下記のとおり記者説明会を行いました。
日 時 | 平成26年5月1日(木)13時30分~ |
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場 所 | 医学図書館2階 十全記念スタジオ (金沢市宝町13-1) |
説明者 | 子どものこころの発達研究センター・特任教授 東田 陽博 子どものこころの発達研究センター・特任助教 吉原 亨 川崎医科大学 免疫学教室・教授 石原 克彦 |
内 容 | PPT資料による研究の説明 |
新聞掲載(日付)
- 日経産業新聞(2013年10月25日)
- 北陸中日新聞(2014年5月2日)
- 北國新聞(2014年5月2日)