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発達障がい市民広場

第50号

最新医学論文50

自閉スペクトラム症の高リスク家系に生まれた乳幼児の脳発達

Hazlett, H. C. et al.
Early brain development in infants at high risk for autism spectrum disorder.

Nature 542 (7641): 348-351
Feb. 16, 2017

概要

米国ノースカロライナ大学のHazlettらは、自閉スペクトラム症(ASD)の高リスク家系に生まれた乳幼児106人と低リスク家系の乳幼児42人について前向きの脳画像研究を行った。その結果、生後24か月でASDと診断された15人の高リスク乳幼児において、大脳皮質表面積の過剰拡大が生後6か月から12か月の間に観察された。この特徴は、生後12か月から24か月で認められた脳容積の過成長よりも早く見出されたため、早期診断に利用できるか否かが検討された。6か月から12か月の乳児から得られた脳磁気共鳴画像の大脳皮質表面積データをもとに、人工知能アルゴリズムを用いて高リスク乳幼児の24か月でのASD診断を予測したところ、陽性適中率81%、感度88%となった。