サイト名

© 金沢大学 子どものこころの発達研究センター

発達障がい市民広場

第20号

最新医学論文20

シナプトタグミン4の関与する神経分泌と体重とエネルギーバランスを調節する視床下部のオキシトシン

Neuropeptide Exocytosis Involving Synaptotagmin-4 and Oxytocin in Hypothalamic Programming of Body Weight and Energy Balance

Guo Zhang,Hua Bai,Hai Zhang,Camin Dean,Qiang Wu,Juxue Li,
Sara Guariglia,Qingyuan Meng,and Dongsheng Cai

Neuron 69,523-535,February 10,2011

オキシトシン等の視床下部ペプチドは、エネルギーと体重のバランスを調節調節しているため、もし、これがおかしいと、肥満と関係があるとされている。今回、シナプトタダミン4という分子がオキシトシン産成細胞(バソプレシン神経細胞には無い)に多量発現していて、オキシトシンの分泌を抑えていることがわかった。高カロリー食の摂り過ぎで肥満が生じると、シナプトタグミン4がオキシトシン分泌小胞にくっつき、オキシトシンの細胞外への放出が抑えられる。

このことは、オキシトシン受容体の阻害剤やシナプトタグミン4をオキシトシン細胞に大量発現すると、食事多過肥満が生じる事で証明できた。シナプトタグミン4を減少させるとオキシトシンの分泌を正常化し太らなかった。オキシトシン投与により、最初の3日間、体重増加が減少した。

このように、社会性認識記憶ばかりか、オキシトシン分泌と高エネルギー食による肥満に関係があることがわかった。