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発達障がい市民広場

第19号

最新医学論文19

オキシトシンが母性保護、母子間の親密度の記憶に与える影響

Effects of oxytocin on recollections of maternal care and cioseness.

Barts JA,Zski J,Ochsner KN,Bolger N,Kolevson A,Ludwig N,Lydon JE
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 107,21371-21375.

Bartz らは健常な成人男性にオキシトシンあるいはプラセボ(偽薬)を鼻腔内投与し幼少時の母親による保護、母子間の親密度について回顧してもらい、その記憶の与える影響を比較検討した。その結果、愛着関係に伴う不安が少なかった被験者では、オキシトシン投与によって、保護と親密度がより満ち足りたものとして思い出されるようになった。

一方、愛着関係に不安を伴っていた被験者では、オキシトシン投与によって、保護と親密度がより低下して思い出される傾向が観られた。これらの結果は、愛着表象 (attachment representation) がオキシトシンよって増減されることを示しており、オキシトシンが社会知覚に対して広く陽性に作用するという一般的な考えとは対照的なものである。