金沢大学

脳の個性研究心理部門

「脳の個性研究心理部門」では人間行動の心理過程について研究している。特に、心理過程のなかでも視覚情報処理とその認知過程、そしてその学習や発達に関わる問題を主要な研究対象としている。研究方法としては主に心理物理学的手法や行動指標/生理指標を用い、それらの計測に基づいて人間行動システムモデルの検討を行っている。

人間の行動や活動は人間としての共通性と個体としての多様性(個性)の両面を持ちわせている。人の思考や行動を理解するためには、ヒトに備わる生物学的な共有特性を理解するとともに、個体特徴の形成過程を明らかにする必要がある。これらの研究目標のために本部門では以下の3つのテーマに関して研究を進めている。

1.感覚情報/視知覚処理の特性評価と心理過程の検討
私たちの行動は感覚情報が刺激となり、その反応として生じる。本部門では視覚や聴覚からの情報を私たち人間がどのように感じ、どのように捉えるのか、そしてそれをどのように反応/行動に結びつけているのかを心理物理学的方法によって研究している。
・色光や形態、空間対象の知覚特性
・対象知覚における空間/視野/方位処理の非対称性
・視覚情報と聴覚情報の相互作用:表情と音声による感情判断など

2.視覚環境が人間行動に及ぼす影響
人間にとって周囲の状況や環境からの刺激に対して如何に反応するか、環境に如何に適応/対応するかは重要な課題である。本部門では特に視覚刺激や色彩環境が観察者の注意や認知機能、創造性、反応性などに与える効果を行動指標によって調べている。
・照明光の色彩が認知作業に及ぼす効果
・視覚環境(照明環境、インターネット表示画面など)のストレス要因
・高齢者の認知機能と生活環境要因との関係

3.認知機能の脳神経基盤の研究(脳イメージング研究)
本部門では、認知過程(知覚認識、言語処理、学習記憶、思考判断など)における情報処理モデルの脳神経基盤を脳イメージング法によって研究している。脳機能計測には脳波(EEG/ERP)、 近赤外分光法(NIRS)、 機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)などを用いている。
・視覚課題、言語課題実施時の脳活動特性(NIRSによる脳血流計測)
・知覚運動学習時の脳活動変化(NIRS)
・感情認知における表情音声手がかりと脳活動(EEG/ERP)
・自閉症スペクトラム者の知覚傾向と脳活動特性(NIRS)
・皮質視覚野におけるMagno/Parvo系処理から背側/腹側経路処理への情報伝達と処理過程(fMRI)

本部門では、これらの他にも言語学、発達学、人間/機械工学、保健学分野の研究者らと研究教育協力を行っている。

センターオブイノベーションプログラム 連合大学院 子どものこころサミット いしかわ子どもの心のケアネットワーク 東田陽博研究室

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